FAGA（女性型脱毛症）とは、"女性だけ"に起こる進行性の脱毛症です。
髪1本1本が細くなり、頭皮全体のボリュームは失われ、地肌が透けるようになっていきます。
こういった症状は男性のAGA（男性型脱毛症）にも似ています。
ただ男性のように髪が完全に抜け落ち、ツルツルになってしまうことはありません。
一定のレベルで髪は保たれますが、進行するほど髪の密度が低下し薄毛が目立つ状態になります。
女性で薄毛に悩む方は全国に600万人ほどいます。
その50％がFAGAです。
40〜50代で発症する割合が高いですが、なかには20代から悩まれる方も。
FAGAは、女性とって身近な薄毛症状となりつつあります。
FAGAの原因には、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスがあげられます。
また2つのバランスを崩す要因として、生活習慣が関わってきます。
FAGAの原因は、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れることにあります。
女性ホルモンは髪の成長を助けたり、保護するはたらきをもっています。
ただその女性ホルモンが分泌されるピークは30代とされ、その後は少しずつ分泌量が減っていきます。
すると男性ホルモンのはたらきが強まり、髪全体が薄くなっていきます。
女性ホルモンのバランスを崩しやすくするのが、生活習慣になります。
髪もからだの一部です。
生活習慣が乱れることで、からだだけでなく髪にも悪影響を及ぼします。
FAGAには、他の薄毛症状にはない特徴がいくつかあります。
軟毛化とは、髪の毛が細く、短くなっていってしまうことです。
FAGAになると髪の成長期が短くなり、軟毛化を起こすようになります。
髪の毛のボリュームが減ることで、実際に生えている髪の毛の本数よりも薄毛に見えてしまいます。
FAGAの脱毛パターンは、3タイプにわかれます。
| ルードウィッグ型 | 頭頂部〜後頭部の範囲が薄くなる |
|---|---|
| クリスマスツリー型 | 生え際〜頭頂部の中心がクリスマスツリーのように広がる |
| ハミルトン型 | 男性のようにこめかみあたりの生え際が後退する |
ルードウィッグ型の女性がもっとも多く、頭頂部や後頭部は普段は自分で見ることができない部分です。
気づいた時に驚いて、医師に相談する方も珍しくありません。
FAGAは、急に脱毛がはじまることはありません。
30代あたりから緩やかに進み、40代あたりで脱毛箇所の広がりが目立つようになります。
細く短い髪が増えたり、抜け毛の量なども気になるようでしたら、医師にご相談ください。
FAGAの治療方法は、選択肢は決して多くありません。
女性ホルモンが減ったことが原因であれば、補充してあげることは可能です。
しかしそれには、子宮頸がんや乳がんなど発がんリスクを伴います。
さらに男性に使用するプロペシアやザガーロといった薄毛治療薬は、妊娠適齢期にある女性には使用できないものもあります。
エビデンス（安全で効果のある治療方法を選ぶ指針）に基づいたFAGAの治療としては、次のようなものがあげられます。
エビデンスから見て、ミノキシジル外用のみが推奨度『A』となっています。
これに加え、栄養不足の髪を健康にするためにサプリメントを組みわせることもあります。
ミノキシジル外用は、女性の薄毛治療で唯一使用できる医薬品です。
第一類医薬品になるため、薬局やドラッグストアなど医師以外からも購入が可能です。
ミノキシジルは毛根に直接作用します。
毛根にある細胞のはたらきを活発にし、タンパク質の合成を促してくれます。
その結果、新しい髪の成長がはじまり、さらに抜けにくい健康な髪が育ちます。
ちなみに内服タイプのミノキシジルタブレット（通称：ミノタブ）もありますが、こちらは高血圧の治療薬です。
推奨度も最低ランクの『D』となります。
つまり薄毛治療に用いるのはNGということです。
健康トラブルも増えていますので、ご注意ください。
髪を健康にするための栄養は、さまざまあります。
食事からも摂取できますが、髪以外にもこれらの栄養は必要になります。
食事だけで補うことは難しいので、髪に十分な栄養が行き届くようサプリメントで補うことも1つです。
美しさの基準でもある髪の毛。
女性にとって髪が薄くなっていくことは、死活問題と考える方も多いのではないでしょうか。
FAGA（女性型脱毛症）に悩む方は、年々増えています。
どうにかしたい思いから誤ったケアや、医学根拠のない治療に手を出してしまう方もいます。
こういったケースでは、いくら治療しても髪を取り戻すことはできません。
また進行性の症状なので、時間が経つほど脱毛箇所は広がることも考えられます。
まずは医師に相談し、頭皮や髪の状態からあなたに必要な治療を受けることが大切です。
