うす毛ナビ

髪の毛に関わるビタミンの種類と代表的な食材、薄毛に対するビタミンの効果をご紹介します。

ビタミンと髪について

ビタミンと髪について

ビタミンは、5大栄養素の1つ。

直接髪の毛の材料にはならないものの、タンパク質・脂質・糖質がエネルギーとして十分な効果を発揮するためのサポートをします。

他の栄養素がスムーズにエネルギーに変わり、細胞のはたらきを活発にするための"潤滑油"として必要不可欠な存在です。

ビタミンといっても種類がいくつもあります。

そのほとんどはからだの中で作ることができないため、毎日の食事やサプリメントで外から摂取することが大切になります。

ビタミンの種類

ビタミンの種類は全部で13種類。

これらは大きく2つのタイプにわけることができます。

ビタミンの種類と特徴
脂溶性ビタミン
(ビタミンA・D・E・K)
油に溶け、熱に強い
水溶性ビタミン
(ビタミンB群8種・C)
水に溶け、熱に弱い

ここでは髪の毛の健康に関わるビタミンをご紹介します。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは水には溶けない性質があるため、からだに吸収されやすく尿といっしょに排泄されることはありません。

そのため摂りすぎると、肝臓などに蓄積され過剰摂取による症状が見られるので注意が必要です。

ビタミンA

ビタミンAの特徴と食材

ビタミンAは、髪の毛の健康に欠かせない栄養です。

頭皮の代謝を促し、皮脂分泌をコントロールしてくれます。

皮脂が頭皮にたまると、フケ・かゆみ・炎症などを起こしやすくします。

こういった症状は髪を弱くし切れ毛や抜け毛の原因にもなるため、頭皮環境を守ることが髪の毛の健康にもつながります。

また髪の毛や爪などの細胞を活性化させるのもビタミンA。

毛母細胞が活発に増殖・分化することで、髪の毛の成長を促してくれます。

1日の推奨量と耐容上限量
男性(18歳以上) 850μgRAE
2,700μgRAE
女性(18歳以上) 650μgRAE
2,700μgRAE

※上:推奨量 / 下:耐容上限量

ビタミンAを多く含む食材
  • 鶏や豚のレバー
  • あんこうの肝
  • うなぎの蒲焼き
  • ぎんだら
  • ニンジン
  • 小松菜 etc…

ビタミンE

ビタミンEの特徴と食材

ビタミンEには、抗酸化作用があります。

細胞を酸化から守ることで髪の毛にツヤを出したり、抜け毛を予防する効果が期待できます。

薄毛の原因の1つであるタバコやアルコール。

これらを日々続けることは、からだの中に活性酸素を増やします。

そのため1日の喫煙本数や飲酒量の多い方は、髪の毛の健康を守るためにビタミンEがより必要になります。

さらにビタミンEは、血流を良くするはたらきもあります。

頭皮への血流を良くすることで髪の毛にスムーズに栄養を届けられる環境が整い、髪の成長を助けることにもつながります。

1日の推奨量と耐容上限量
男性(18歳以上) 6.5mg
800mg
女性(18歳以上) 6.0mg
650mg

※上:推奨量 / 下:耐容上限量

ビタミンEを多く含む食材
  • うなぎの蒲焼き
  • アーモンド
  • かぼちゃ
  • モロヘイヤ
  • パプリカ
  • 豆乳 etc…

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質のため、からだの中に貯めることはできません。

そのため必要以上に摂取しても、からだが「これ以上いらない!」と認識すれば尿として排泄されるので過剰摂取の心配はありません。

また8種類あるビタミンB群のうち、1つだけを摂取しても効果を発揮しにくいです。

ビタミンB群はまとめて摂取することが望ましいです。

ビタミンB1

ビタミンB1の特徴と食材

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える役割がある栄養です。

髪の毛の細胞は毎日分裂を繰り返すことで少しずつ成長するため、多くのエネルギーが消費されます。

ビタミンB1が不足し栄養をうまくエネルギーに変えられないと、髪の毛の細胞の活動が鈍くなってしまいます。

髪の毛の成長を維持するためにも、ビタミンB1の摂取は欠かすことができません。

また甘いものが好きな人はビタミンB1の消費が多くなるため、積極的に摂取していく必要があります。

1日の推奨量
男性(18歳以上) 1.4mg
女性(18歳以上) 1.1mg
ビタミンB1を多く含む食材
  • 豚肉(ヒレ・ロース)
  • たらこ
  • 玄米
  • きな粉 etc…

ビタミンB2

ビタミンB2の特徴と食材

"発育ビタミン"とも呼ばれるビタミンB2。

からだ全体の細胞の"再生"と"成長"を促すはたらきがある栄養です。

糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変え、髪の毛が伸びるのをサポートします。

他にもビタミンB2は、甲状腺の活性維持にも関わりがあります。

不足すればホルモンバランスが乱れ、抜け毛が増えたり、髪の毛が細くなるといった症状が現れることもあります。

偏食が続く、アルコールの摂取が多い、ストレスなど、これらのことでビタミンB2は大量に消費されます。

生活習慣改善やストレス解消、時にはサプリメントで補うことが髪の毛の成長・健康維持につながります。

1日の推奨量
男性(18歳以上) 1.6mg
女性(18歳以上) 1.2mg
ビタミンB2を多く含む食材
  • 豚レバー
  • タマゴ(鶏・うずら)
  • カレイ
  • 牛ヒレ
  • 納豆
  • 牛乳 etc…

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシン(ビタミンB3)の特徴と食材

"ビタミンB3"や"ニコチン酸"とも呼ばれるナイアシン。

食べ物からエネルギーを生み出す際に、それを助ける補酵素としての役割があります。

またタンパク質が、髪の毛や爪、皮膚などの細胞になるためのサポートをしたり、血行を良くするはらたきもあります。

そのため健康な髪の毛を維持するには、必須の栄養素となります。

1日の推奨量と耐容上限量
男性(18歳以上) 15mgNE
300mg
女性(18歳以上) 11mgNE
250mg

※上:推奨量 / 下:耐容上限量

ナイアシンを多く含む食材
  • カツオ
  • イワシ
  • たらこ
  • 鶏ムネ肉
  • 豚レバー etc…

ビタミンB6

ビタミンB6の特徴と食材

皮膚炎を予防することから発見されたのが、ビタミンB6。

髪の毛の材料となるタンパク質が、無駄なく使われるようサポートする役割があります。

そのためタンパク質を多く摂る人ほど、たくさんの量を必要とします。

逆に不足すると頭皮が脂っぽくなったり、フケが出るといった頭皮トラブルが見られることがあります。

皮脂の過剰分泌やフケが多くなると、毛穴を詰まらせ髪の毛の成長に影響を及ぼすこともあります。

太くて丈夫な髪の毛をつくるために、欠かせないビタミンとなります。

1日の推奨量と耐容上限量
男性(18歳以上) 1.4mg
55mg
女性(18歳以上) 1.2mg
45mg

※上:推奨量 / 下:耐容上限量

ビタミンB6を多く含む食材
  • マグロの赤身
  • サケ
  • アジ
  • カツオ
  • ブロッコリー
  • バナナ etc…

ビタミンB12

ビタミンB12の特徴と食材

"赤いビタミン"とも呼ばれる、ビタミンB12。

同じビタミンB群の"葉酸"といっしょに、細胞に酸素を送るために必要な赤血球をつくるはたらきがあります。

不足すると細胞に十分な酸素が送られず、髪の毛を弱らせてしまいます。

ビタミンB12は野菜にはほとんど含まれていないので、野菜中心の食生活を送っている方は不足しがちな栄養です。

1日の推奨量
男性(18歳以上) 2.4μg
女性(18歳以上) 2.4μg
ビタミンB12を多く含む食材
  • 牛肉
  • 牛レバー
  • アサリ
  • ハマグリ
  • シジミ
  • 牡蠣
  • いくら etc…

葉酸(ビタミンB9)

葉酸(ビタミンB9)の特徴と食材

"ビタミンM"や"ビタミンB9"とも呼ばれる、葉酸。

ビタミンB12といっしょに赤血球をつくるはたらきだけでなく、細胞が分裂したり成長するのをサポートするはたらきもあります。

髪の毛は成長するために、日々活発に細胞分裂が行われています。

そのため葉酸をきちんと摂ることが、髪の毛の成長を促すことにつながっていきます。

1日の推奨量と耐容上限量
男性(18歳以上) 240μg
900μg
女性(18歳以上) 240μg
900μg

※上:推奨量 / 下:耐容上限量

葉酸を多く含む食材
  • 鶏レバー
  • 菜の花
  • モロヘイヤ
  • オレンジ
  • ニラ
  • ドリアン etc…

パントテン酸(ビタミンB5)

パントテン酸(ビタミンB5)の特徴と食材

"抗ストレスビタミン"とも呼ばれる、パントテン酸。

ストレスを和らげたり、代謝をUPさせるはたらきがあります。

ビタミンCやEといっしょに摂ると、なお良いとされます。

またビタミンCと結びつくことで、抜け毛や白髪の予防効果も期待できます。

"パントテン"は「広くどこにでもある」という意味で、名前の通りさまざまな食材に含まれています。

そのため不足することはほとんどないですが、お酒やコーヒーをよく飲む方は消費されやすくなるので注意が必要です。

1日の目安量
男性(18歳以上) 5mg
女性(18歳以上) 4mg
パントテン酸を多く含む食材
  • 鶏レバー
  • 鶏ささみ
  • いくら
  • チーズ
  • アボカド etc…

ビオチン(ビタミンB7)

ビオチン(ビタミンB7)の特徴と食材

"髪の毛や肌のビタミン"とも呼ばれる、ビオチン。

ツヤのある髪の毛を保ったり、ハリのある肌をつくるはたらきがあります。

そのため不足すると、抜け毛や白髪、髪の毛のパサつきなどが見られるように。

他にも3大栄養素である糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変えるはたらきもあるので、不足すると倦怠感を感じるようにもなります。

1日の推奨量
男性(18歳以上) 50μg
女性(18歳以上) 50μg
ビオチンを多く含む食材
  • レバー(鶏・豚)
  • マイタケ
  • くるみ
  • 牛乳
  • 大豆
  • ピーナッツ etc…

ビタミンC

ビタミンCの特徴と食材

"美肌のビタミン"とも呼ばれる、ビタミンC。

コラーゲンが作られるのをサポートしたり、活性酸素が増えるのを抑えるはたらきがあります。

コラーゲンは肌のシミやシワを防ぐのに有効とされていますが、髪の毛にも良い影響を与えます。

髪の毛のハリやコシがUPし、ツヤがでることで指通りが良くなります。

またビタミンACE(エース)といって、抗酸化力が強いビタミンの1つでもあります。

ビタミンA・C・Eをいっしょに摂ることで相乗効果があり、抜け毛予防、美肌効果、ストレス緩和などが期待できます。

1日の推奨量
男性(18歳以上) 100mg
女性(18歳以上) 100mg
ビタミンCを多く含む食材
  • パプリカ
  • ブロッコリー
  • いちご
  • オレンジ
  • レモン
  • グレープフルーツ etc…

薄毛に対するビタミンの効果

薄毛に対するビタミンの効果

ビタミンは代謝をスムーズに行うために必要不可欠です。

また薄毛の原因になるストレスや頭皮環境の悪化を整えてくれたり、髪の毛にツヤやハリを出してくれるなど効果は多岐にわたります。

ビタミンB群は8種類いっしょに摂ることでより効果的になるので、バランスの良い食生活を心がけることが大切になります。

もし食事だけでは難しい場合には、サプリメントに頼ってみるのも1つです。

薄毛の状態によっては摂取量を増やすケースもあるので、薄毛専門のクリニックやサプリメント外来に受診してみてください。

カテゴリーで見る薄毛の悩みと治療

デコレーション(装飾)