AGAとは
AGAとは、「男性型脱毛症」とも呼ばれる、"ヘアサイクルのミニチュア化"と"軟毛化"によって起こる薄毛症状です。
現在、成人男性1,200万人が何かしらの薄毛症状に悩まされていると言われています。
これは、日本人男性の3人に1人にのぼります。
その中でもAGAに悩む男性は多く、年代別では次のようなデータが出ています。
20代 |
6% |
30代 |
12% |
40代 |
32% |
50代 |
44% |
発症頻度は、全ての年代を平均すると約30%になります。
『薄毛=中高年』というイメージがあるものの、最近では20代の前半からAGAに悩む方も増えつつあります。
年代にかかわらず、男性であれば発症リスクがあるのが、AGA(男性型脱毛症)になります。
AGAの原因
AGAの原因は『男性ホルモン』にあると考えられています。
しかし男性ホルモンだけが、AGAを引き起こすわけではありません。
遺伝や生活習慣といったことが影響し、薄毛を招く活性型の男性ホルモンに変化していくことで薄毛症状が現れます。
男性ホルモン
男性ホルモンは、"男らしさ"にかかわる物質です。
テストステロンと呼ばれ、このホルモンがあることで筋肉やヒゲ、がっちりとした骨格などがつくられ、男性は男らしくなっていきます。
男性の成長に欠かせないテストステロンですが、ある酵素と結びつくとAGAの原因となる物質に変化していきます。
その酵素が『5αリダクターゼ』と呼ばれるものです。
テストステロン + 5αリダクターゼ = DHT(ジヒドロテストステロン)
このDHTは、髪の成長に関わる細胞に悪影響を及ぼします。
その影響によりヘアサイクルのミニチュア化がおこり、成長不十分あるいは成長をストップする髪の毛が増え、薄毛症状が進んでいきます。
遺伝
薄毛に"なりやすいか"を決めるのが、遺伝だと考えられています。
AGAの原因物質であるDHTの情報は、AR(アンドロゲンレセプター)と呼ばれる受容体が受け取ります。
DHT → AR → 抜け毛が増える
ARは親から受け継ぐもので、遺伝していれば薄毛になりやすく、反対に遺伝していなければ薄毛になる確率は低くなります。
遺伝によって若くして薄毛に悩む方もいれば、歳を重ねても髪がフサフサな方がいるのはこのためです。
生活習慣
AGAの原因を誘発しやすくするのが、生活習慣です。
- 睡眠不足
- ストレス
- 喫煙
- 運動不足
- 食生活の乱れ etc…
からだの健康を損ねるようなことは、髪にも良い影響を与えないということです。
AGAの特徴
AGA(男性型脱毛症)には、他の脱毛症にはない特徴があります。
進行性の脱毛症状
AGAは進行性です。
それも"ゆるやか"に進行します。
目で見てわかるほど急激に髪が薄くなることはないため、薄くなっていくことに気づくのが遅れるケースは多いです。
脱毛パターン
AGAは、『頭頂部』『生え際』『頭頂部+生え際』の3パターンのいずれかで薄毛が進行します。
なので"頭の側面"や"後頭部"といった部分に、脱毛症状があらわれることはありません。
軟毛化
AGAが進行すると、髪質にも変化が起こります。
髪の"軟毛化"と呼ばれるもので、1本1本が細く短い弱々しい髪へと変化していきます。
成長不足の髪ばかりが増えることで、髪の密度は低下します。
髪の密度がない状態では地肌が透けやすくなり、より薄毛を目立たせてしまいます。
AGAの治療の選択肢
AGAに悩む方は年々増えています。
それに伴い、さまざまなケア方法や民間療法も増えています。
ただこういった治療には医学根拠がないものもあるため、髪の成長が期待できるかは定かではありません。
エビデンス(安全で効果のある治療方法を選ぶ指針)に基づいたAGA治療としては、次のようなものがあげられます。
この3つはエビデンスから見て、推奨度がもっとも高い『A』となります。
薄毛の進行具合によって1つの方法で行うこともあれば、塗り薬と組み合わせて治療を行うこともあります。
まずは簡単にご紹介させていただきます。
プロペシア
プロペシアは、AGAの予防薬です。
AGAの原因物質を頭皮から減らすことで、薄毛の進行をストップさせます。
また国内臨床試験のデータから、薄毛が"改善"あるいは"維持"した人を合わせると実に98%の男性に効果があることがわかっています。
ザガーロ
ザガーロは、プロペシアの次に誕生したAGA治療薬です。
6ヶ月の服用で、発毛効果がプロペシアの約1.6倍もあることがわかっています。
AGAの進行を抑えるだけでなく、新たな髪の成長も期待できるのがザガーロになります。
ミノキシジル外用(塗り薬)
ミノキシジル外用は、もっともポピュラーなAGA治療薬です。
第一類医薬品になるので、薬局やドラッグストアなど医師以外からも購入が可能です。
頭皮の血流改善により発毛効果が期待でき、さらに髪に太さ・コシを与える育毛効果も期待できます。
ちなみに内服タイプのミノキシジルタブレット(通称:ミノタブ)もありますが、こちらは高血圧の治療薬です。
推奨度も最低ランクの『D』となります。
つまりAGA治療に用いるのはNGということです。
健康トラブルも増えていますので、ご注意ください。
AGAを治療するなら
AGAを治療するなら、これだけはオススメします。
「まずは6ヶ月」
どのAGA治療薬も、必ず効果があるわけではありません。
効果を判断するには、"少なくとも6ヶ月"と言われています。
6ヶ月先の治療をどうするかは、髪や頭皮の状態、健康状態によっても異なります。
薄毛はコンプレックスの1つです。
そこにつけ込み、「1年やれば生えますよ」というクリニックも存在します。
自由診療なだけに、治療費も高額になります。
治療する期間をしっかり決め、まずは6ヶ月を目標にAGA治療をスタートしてみてはいかがでしょうか。