抜毛症とは
抜毛症とは、誰にでもある"クセ"がエスカレートすることで起こる心の障害です。
貧乏ゆすりしたり、指やツメを噛んだり、ヒゲを触ったり…
こういった行為は意識的に、あるいは無意識にしています。
抜毛症も同じです。
クセの対象が体毛となり、その中でも髪の毛を抜く人が多く見られます。
髪の毛をつい触ってしまうクセがいつの間にか抜くようになり、その行為をやめられず脱毛状態に。
無理な抜毛行為を繰り返す結果、毛が生えにくくなることや毛質なども変わってしまうことがあります。
抜毛症とは、誰にでもある"クセ"がエスカレートすることで起こる心の障害です。
貧乏ゆすりしたり、指やツメを噛んだり、ヒゲを触ったり…
こういった行為は意識的に、あるいは無意識にしています。
抜毛症も同じです。
クセの対象が体毛となり、その中でも髪の毛を抜く人が多く見られます。
髪の毛をつい触ってしまうクセがいつの間にか抜くようになり、その行為をやめられず脱毛状態に。
無理な抜毛行為を繰り返す結果、毛が生えにくくなることや毛質なども変わってしまうことがあります。
抜毛症の1/4以上は、ストレスが関係しています。
環境に悩んでいることが多く、ストレスが重なり発症することが多いです。
また抜毛症の人の家族内には、チックや衝動制御障害、強迫症状などがしばしば見られます。
そのため遺伝的なことが、抜毛症の原因となっているケースもあると考えられています。
他にも、神経細胞と脳の一部の支障により起こると考えられることもあります。
ただいずれも推測の域を越えず、抜毛症を発症する明らかな原因がないのが現状です。
円形脱毛症や頭部白癬と間違われることもある抜毛症。
抜毛症の特徴は、次のようになります。
平均発症年齢 | 10代前半 (※成人でも発症する) |
---|---|
病症 | 髪の毛自体の病気ではない |
脱毛部位 | 髪の毛だけでなく、まつ毛や眉毛など体毛にも及ぶ |
頭部の脱毛箇所 | 利き手側や手の届きやすい前頭部に偏って脱毛が見られる |
また抜毛症の約40%の人に抜いた髪の毛を口の中に入れ、噛んだり飲み込んだりする"食毛症"が見られます。
飲み込んだ毛は食道・胃・腸などに溜まり、毛髪胃石や腸閉塞、栄養失調などを起こすことも。
その他にも髪の毛の抜きすぎにより指にアザができたり、手首や肩を痛める、髪の毛を噛むことで歯が摩耗し損傷することがあります。
抜毛症と間違われることがある円形脱毛症との違いは、次のようになります。
抜毛症 | 円形脱毛症 | |
---|---|---|
髪質 | 無理に引き抜いたことによる 縮毛や切れ毛 |
感嘆符毛 切れ毛 黒点 |
原因 | ストレスなど | 自己免疫疾患 |
脱毛 パターン |
利き手側や前頭部に 脱毛斑・体毛 |
部分的 頭髪全体 体毛 |
※感嘆符毛:「!」のような形の毛になり、毛根部分に近くなるほど細くなっていく
※黒点:根元から毛が折れ、毛穴に埋まっている毛
髪の毛を抜くという衝動を抑えることができない点で、抜毛症は強迫性障害と重なる部分があります。
強迫性障害には、2つの症状があります。
強迫観念 | 頭から離れない考え |
---|---|
強迫行為 | やめたいのにやめられない行為 |
一方で抜毛症には、強迫観念がありません。
そのため決まった時間や場所で髪の毛を抜いてしまうのではなく、テレビをみながら、作業しながら、寝転がりながらなど、何かをしながら髪の毛を抜いてしまいます。
このことから抜毛症は、強迫性障害とは異なります。
抜毛症は「薬物療法」と「認知行動療法」の2つの治療を行います。
薬物療法としては、ステロイド外用剤や抗不安薬・抗うつ薬・抗精神病薬などを用います。
認知行動療法とは認知(ものの考え方や受け取り方)にはたらきかけ、気持ちを楽にする心理療法の一種になります。
もし髪の毛の抜き過ぎによって頭皮に炎症を起こしている場合には、皮膚科での治療も必要となります。
治療の経過は年齢によっても異なり、6歳よりも前に発症したケースでは寛解にいたることが多いです。
その一方で13歳以降に発症した人は、慢性化しやすい傾向があると言われています。
髪の毛を抜く行為にコントロールが利かなくなると、やがては抜き癖があるとわかるほどに脱毛は広がります。
「抜毛=気持ちを楽にする手段」となっているため、自力でやめることは難しいです。
そのためできる限り早めに専門医のもとで治療をスタートすることが、予後を良好にすることにもつながります。
もし抜毛症を疑うのであれば、まずは精神科にご相談ください。